2008年7月27日日曜日

梅田望夫さん、AISEP訪問@東大駒場キャンパス!



7月26日土曜日。

これでもかと照りつける太陽の下、駒場東大前の駅の改札口。

ウェブ進化論をはじめ意欲的な著作でベストセラーを出している梅田望夫さんが、われわれAISEPを訪問してくださいました!お仕事仲間?の岡田さん、東大OBでAISEPにも協力してくださっているプロ棋士の片上五段も一緒です。

暑いので早速18号館ラウンジへ。フリースペースに陣取って、メンバーたちとの座談会が始まりました。AISEPを通じて得られたこと、考えたこと、を梅田さんにぶつけよう!!という企画です。



まずはブログ投稿第一陣ということで、いきなり筆者が一番印象に残ったセリフから取り上げますw

それは、会の最後の最後に中央大学の細川くんが質問した「ネットの発展を活かして、将棋の海外普及におけるヒト・モノ・カネの不足を解決する良い方法はないのだろうか」という疑問に対する回答の中の一節にありました。

「(何かを成し遂げるうえで必要な)お金は、あるところにはある。(中略)なにかをやろうとした時に一番足りないのは、・・・情熱なんだよね」

はっとしました。

僕は文化について少し勉強しています。その中で現代では「アートマネジメント(芸術経営)」という考え方が生まれてきていること、つまりアートや文化に携わる人自身がお金や人材等含めてマネジメントしていく必要がある、という立場が主流になりつつあるようです。そしてその現場でよく言われていることが、「お金が足りない」ということなのでした。

でももしかしたら、足りないのはお金ではなくて、お金を持ってる人や組織からお金を引き出してきてしまうような、情熱――梅田さんの言葉を借りれば「狂気」――なのかもしれませんね。

ウェブ関係の話題を専門となさっている梅田さんによると、今ではすっかり有名になった「ウェブ2.0」は、なにか突き抜けたような情熱を持った人が情熱を実現するための手段になるのみならず、世界中の「情熱」を「コスト0で」集めてくるプラットフォームにすらなる、ということでした。

さらに梅田さんが付け加えたのが、「最後までやりきることの大切さ」。

「(みんな)頭では、(どうすればいいか)わかってる。でも、それを『明日からやる人』っていないじゃない。だから『明日からやる人』が必要なんだよね。」

唸る学生。



座談会では真剣に話す場面もあれば和やかに空気が緩む場面もあり、メリハリの効いた雰囲気でした。一貫して司会を務めたのは2ndAISEP副代表、笠井さん。非常に意欲的に日々を過ごしている学生の一人です。

一人でも多くの意欲ある学生を生み出していくこと。意欲を生み出す原動力となる、視野を広げる機会を、いろんな人に開かれた形で創っていくこと。AISEPがそうした役割を果たし、「情熱」や「実行力」を持つ若者を輩出できたらな、と少し考えていました。


梅田さん、お忙しい中、本当にありがとうございました!

2008年7月8日火曜日

北京側スタッフ

お久しぶりです、笠井です!
なかなか梅雨も明け切らず、じめじめとしたお天気が続いていますね。


先日AISEPで友達になったChen(中国人の学生)から手紙が来ました。
こんな風にAISEPを通して知り合った人たちとずっとコンタクトを取り続けていければいいなと感じています。

*****

今日は北京側スタッフの一人、中山しんちょうさんのお話をします!



彼は北京大学の2年生で、北京大学の日本人会の副会長をしているとのことです。
小学校、中学校時代を日本で過ごしていて日本語も中国語もぺらっぺら!

そして一番すごいのはその人柄の素晴らしさ!
どんなに仕事が多いときでも、思わぬハプニングが生じたときでも冷静に対処なさるしその時に周りの人たちに気を遣うことを忘れない方です。

スタッフというのは雑用が多いものですが、絶対にいやな顔一つせずテキパキとこなしていらっしゃったのが印象的です^^
牧野さんも書いてくださっていた通り、スタッフ中村のサプライズ誕生日パーティーのときには素敵なチョコレートケーキをチョイスして下さいました!!
そして、しんちょうさんからAISEPのご感想をいただきましたので以下に貼り付けます☆

今回北京側スタッフとして、AISEPに参加しました。
準備期間、いろいろと問題が出てきましたが、
無事開催され、成功を収めたことに大変嬉しく思います。

AISEP自体は、3日間と短かったのですが、
その間、各国からの参加者と大変濃い時間を過ごせました。
特に日本側スタッフの皆さんがとても心暖かく、明るくて
本当に楽しく一緒に仕事をさせていただきました。
今回AISEPで出会った皆さんが何よりの宝物だと思います。

最後に、藤田所長、山内代表をはじめ、お世話になった
皆様に感謝の気持ちを申し上げたいと思います。
本当に有難うございました。



しんちょうさん、本当にお疲れ様でした!&ありがとうございました!!

夏休みに二週間ほど日本にいらっしゃるとのことだったので、日本側スタッフでお迎えするのが今から待ち遠しいです^^

2008年6月21日土曜日

青野先生へご挨拶

先日、AISEPの開催前から色々とご指導を賜りました青野照市九段にご挨拶に伺いました。
青野先生は現在将棋連盟の理事をなさっており、渉外担当ということでためになるお話をたくさん聞かせていただきました。
夕食までご馳走になりました。ありがとうございました。



帰りに先生から右の本をいただきました!
訳者は現在イギリスのソフトウェア会社で将棋の電算化に従事しているという、ジョン・フェアベアンという方です。英字雑誌の「将棋」に定期的に寄稿なさっているという将棋好きらしいです^^















日本語と英語どちらもわかりやすく解説が施してあり、海外の方にはありがたい一冊なのではないでしょうか。
海外の参加者のために、「はじめに」の一部分だけ引用しておきます。



 将棋の指し方や戦法を解説した本は、数多くありますが、将棋の考え方や理論について、やさしく解説した本はありません。
 私は一年間にわたって、NHK将棋講座の講師を務めるに当たり、前述のことに気付き、何とかして初級の方にも解るように将棋の理論をやさしく解説できないものかと考えました。
 そこで、将棋の理論を知る上で、大切と思われるテーマを六つにわけ、それぞれのテーマの中に初級者にも簡単に理解できる段階から、有段者が読んでも参考になる段階までを取り入れることにしました。

 These are numerous books on how to play shogi or books that explain shogi openings,but there are none that explain in simple fashion how to think about shogi or the theory of the game.
When i was presenting the NHK(Japanese Broadcasting Corporation)Shogi Lectures over the period of a year,I had this in mind,and I thought about how I could explain the theory of shogi plainly so that even low-kyu players could understand.
I divided the lectures into six subjects I felt were important from the viewpoint of learning shogi theory and under the respective headings a level where even dan players could read with profit.

2008年6月11日水曜日

羽生先生の講演会では質疑応答のセッションもありました!

以下北京在住の日本人の方を含む将棋ファンの方々の質問および羽生先生の回答です。

1.上達の秘訣は何でしょうか?

Ans.
レベルによって異なりますが、囲い、詰み、戦いの起こし方などの基本を覚えた後は実践によってその感覚を磨くことが非常に重要になります。

2.森内名人との名人戦での逆転劇についての心境をお教え下さい

Ans.
非常に長手数の将棋でした。対局室と控え室があまり離れていなかったため、私がとある一手をさした直後に控え室から歓声が聞こえました。これはもしかしたら何か起こったのかなと思いました。しかし、こうした逆転は自分の力だけでどうにかできるものではないのでただラッキーだと思っています。集中して次の対局に臨みたいと思っています。

3.銀冠という囲いに苦戦しています。どのように攻略するのがいいのでしょうか?

Ans.
戦略的には、銀に狙いを付けるの有力です。また、金も1枚はがしたいところです。具体的にどのように攻略するかは局面次第です。

4.近年、コンピューター将棋が急速に強くなっていることをどう思いますか?将棋に何か変化はあるでしょうか?

Ans.
確かにハイレベルになってきています。私個人の意見としては、負けないようにとにかく頑張りたい(笑)

5.攻めと守りのタイミングが難しく困っています。

Ans.
まず、守りに関しては金銀3枚で囲いを作ることが非常に重要となります。一方攻めに関しては、飛角銀桂で攻撃態勢を整えることが重要になりますが、飛角のまわり駒をおかないことが大切です。目標になるだけでなく、大駒の働きを弱めてしまいます。

非常に簡単な説明となってしましましたが、羽生先生の急所をとらえた回答が印象的でした。
 

Habu-sensei

i'll write about habu-sensei in English.
maybe you can find some mistakes in my english,but don't care so much about it^^;

you know,habu-sensei is one of the most famous,strongest and awesome professional shogi players.
i think he is over the God ,so i can't find the most appropriate adjective to give..


anyway,very thankfully he participated in AISEP2008 as well as the 1st AISEP.
i deeply appreciate it,for i wondered he couldn' t have come to Beijing because he's busy by far.


on the 2nd day,we talked with him after the party.


i thought he organaized his knowledge so systematically.
amazingly,he listened to delegates(of course in english) and spoke to them in it!!
to my regret,i couldn't record his speaking(cause the battery of my camera had gone),however we,fortunatelly could listen and speak to him,will remember his performance and his idea.


i asked him one question how to popularize shogi to women.
he answered me "i don't have any specific way for that now,but some women・・・for example kasai-san just plays shogi and tells how interesting it is to people around you,it's so important."

what he meant is just to have a relationship with shogi contributes to popularize it.
in this meaning,i think AISEP takes an active role.

AISEP2008 by Voon!

Hey, another post about AISEP 2008!!

http://ryou-takehito.livejournal.com/9028.html

There are so many photos and you can enjoy them :-)

全部英語ですが、なかなかの長編力作です^^
とにかく楽しんでくれてた様子が伝わります◎

会場の窓から見た高層ビルの様子など、こちらのブログにはない写真もありました。とにかく・・北京の中でも金融の中心地でもあるとっても良い場所に滞在させていただいていたのでした^^;

31日夜の、学生と羽生先生の対談について
Voonのブログより引用です:

After that we actually get to have a small talk session with Mr. Habu! =D

Below are some questions that I have personally asked Mr. Habu:

Me: Why do you want to become a professional Shogi player and what motivates you to continue playing Shogi?
Habu: Well, I started playing Shogi when I was a little kid and because I love Shogi a lot and without giving too much thoughts and consideration I just became a professional Shogi player by the time I have realised it. So what motivates me to continue playing Shogi is I'm looking forward to see new kinds of tactics or strategies I would discover during my title match. That itself could motivates me to continue playing Shogi alot.

Me: Instead of dreaming to become a professional Shogi player, is there any other dreams that you have ever thought of?
Habu: Well, we all have different sorts of dreams. But if you're talking about recently, about six or seven years ago I've dreamt of becoming a baseball player.

Me: So do you have any dreams that you hope to achieve in the future?
Habu: Well, when I was around 17 years old I was playing against a 60's year old Shogi player. Normally we, as professional players, have to take up some time to make our next move however he could just instantly play a move with accuracy and strength. He doesn't need to waste any time at all to think of how to response to my move. So I really do hope I can achieve capabilities like his in the future which I don't need to waste any time for my next move.

I'm sure I asked more but I couldn't remember.


最後に、彼からAISEPメンバーへのメッセージもありました^^

Anyways I would like to say a few words to all the members of AISEP:
Thanks for all the things and stuffs you have done! I'm really really glad I have met everyone in Beijing. You all are the best! I hope I can get to see you all again next year or sometime later in the future! Anyways I wish you all good luck in life and may angels watch over you while you're lonely or sad! Once again thanks for everything!


嬉しいことです。

See you again, hopefully in the near future, Voon!!

2日目:景山棋院

ちょっと間が空いてしまいましたが、5日に投稿した月壇公園の記事の続きです。


月壇公園を後にしたAISEP一行は景山棋院へ移動。バスとはいえ、なんだかんだと移動には小一時間かかります。さすが北京。広いですねぇ。


・景山棋院

(概要については、5月27日の投稿「Fieldwork in Beijing」をご覧下さい。)


景山棋院は北京の真っ只中、ひと昔の建物がずらりと立ち並ぶ地区の一画にありました。

5階建てくらいの雑居ビルの中は階ごと、部屋ごとに分けられ、それぞれシャンチーやチェス・囲碁を楽しめるようになっていました。(そうはいっても基本的にはシャンチーを指す人が多かったですが)

ここからは羽生ニ冠も合流しての見学です。




                 AISEP一行を歓迎する横断幕



北京スタッフの中山さん(手前)の通訳で席主・張国権さん(右)の説明を聞く羽生二冠



まずはシャンチーの部屋に。ちょっとした大会でも開かれていたのでしょうか、奥にあった部屋は満席で、ややピリピリした雰囲気でシャンチーが指されていました。奥の部屋の入り口には「喫煙禁止」にあたる中国語の張り紙があったはずなのですが…奥の部屋の中はタバコくさかったです(笑)

手前の部屋では数人がシャンチーを指していました。数人と聞くとまばらな感がありますが、棋院を訪れたAISEP一行は20人以上の人数なので、奥の部屋には入りきらず部屋の中はけっこう手狭な感じになっちゃいますね。

またこの棋院で初めて、中国で使われている対局時計を見ることができました。時計を使って指している2人の対局の残り時間を見ると、どうやら持ち時間は各30分以上という感じ。やはり道場、腰を据えた勝負ですね。

そのあとベランダらしきところを通って別の部屋へ移動。ベランダには碁盤が3面置かれ、シャンチーや囲碁などの沿革を示したボードが掲げてありました。

           ボード(右)や、写真を見ながら説明を聞く羽生二冠


もちろん説明は中国語なので殆ど読めませんが、シャンチーなどのボードゲームに対する景山棋院の貢献ぶりがうかがえる資料でした。

さて、次の部屋は小学校低学年くらいの子供たちが10人ほど、キャイキャイ言いながらシャンチーを楽しんでいました。指導役らしい大人が1人いたところをみると子供教室といった感じ。リーグ表のようなものが見えたので総当たり戦をやっていたのかもしれません。子供たちはキャイキャイ言いながら走り回っていて、「コラッ、客人が来てるのに静かにできないかっ」的な感じで叱られていました。こんなところは、ぜんぜん日本と変わりませんね。

                 シャンチーの駒を並べている子供


とはいえ、そんな年齢の子供たちに将棋を教えている場所が日本にどれくらいあるんでしょうか…



+++++++++++++



この景山棋院を訪れてみて、やはり道場だけあって、単に娯楽としてシャンチー(など)を楽しむ人だけでなく、競技として指しに来る人も多いのだろうなという印象を受けました。北京の人口の多さを考えれば、私設であっても、こういう道場のような施設はもっとたくさんあっていいんじゃないか、とも感じます。

北京市内にこうした施設がどの程度存在するのかはよく分かりませんが、恐らくシャンチーにおいてはそこまで多くの道場的施設が求められているわけではないということではないでしょうか。どちらかといえば、公園などで楽しむようなコミュニティ内の娯楽シャンチーと、道場で指される競技としてのシャンチーがうまく共存できているということだと考えます。

この北京のシャンチーの状況と比べると、日本では縁台将棋などの側面はかなり失われて、現在のところ頻繁に将棋を楽しむ人々の多くは(ネット将棋はともかく)競技としての将棋プレーヤーなのではないか、という印象があります。将棋サークルの会室や道場/教室など以外では、将棋を指している光景をなかなか見かけることはありません。

純粋な娯楽としての側面が乏しくなっている以上、これからは将棋道場が競技としての将棋に寄与するのはもちろん、地域の人々にとっての一種の文化センター的な役割を果たせるようになることが…もっと重要になってくるのかもしれません。