2008年6月5日木曜日

2日目:月壇公園(報告・考察)

月壇公園は北京市の中でもわりと昔ながらの風景を感じさせるところにありました。私が予想していたほど広い公園ではありませんでしたが、中には数十人~100人くらいの市民がいたように思います。

               月壇公園内で営業していた青空床屋

シャンチーやトランプ、囲碁を楽しんでいる人がたくさんいる他、青空床屋をやってる人がいたり、おしゃべりや昼寝を楽しむ人もいたり。公園が真に機能しているというのはこのような状況を指すんだろうな…と感じます。土曜日だったということもあったでしょうが、日本の公園でこんな風景は見られないだろうなと思わされた瞬間でした。

            公園でシャンチーの対局を楽しむ市民ら

    北京からの参加者の1人、蒋春さん(右)の対局を観戦する参加者、スタッフら

さて、さっそくインタビュー敢行だっ!

と思ったのですが、皆さん真剣な表情でシャンチーを指していて、周りの人もあまり言葉を発しません。公園だからワイワイガヤガヤとやっているのかな、と思っていただけに、気軽にインタビューする雰囲気じゃないのかなと思いきや、実際にインタビューしてみると気さくに応じてくれました。

           インタビューを試みるスタッフの笠井さんと中村太地四段



以下インタビューの内容(一部)です。(後ほど付け足すかもしれません)


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Q:ここでどれくらいシャンチーをやっていますか?  
A:公園ができてから。6年くらい。

Q:みなさんお知り合いなんですか?  
A:もちろん、ここに来るたいていの人は知り合いですよ。

Q:この中で一番強いのは誰ですか?  
A:そういうのはありません。勝つとか負けるとかは関係なくて、みな純粋に娯楽として楽しんでいます。

Q:どのくらいここに来て指していますか?
A:毎日ですよ。暑かろうと寒かろうと毎日ここに来て指しています。

Q:日本の将棋は知っていますか?
A:将棋(Jiangqi)? 知らないねぇ。

Q:将棋を教えてくれたら覚えてみたいですか?
A:面白そうだね。その将棋とやらをこの北京で広めてみてはどうですか?


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公園でシャンチーを指す人たちの気持ちは「純粋に娯楽として楽しんでいる」という一言にすべて表現されているように思います。強くなりたいと思うわけでもなく、大会に出てみたいと思うわけでもなく、シャンチーを通じて共に集い来る人たちと娯楽を共有する。しかも公園にはシャンチーの盤が彫られた石のテーブルが普通に置かれている(日本だと天童くらいでしかなかなか見ることができないのではないでしょうか)ことからも、それだけシャンチーという遊戯が中国の人民に深く浸透している証であり、都市部でもシャンチーがまだまだ「コミュニティツール」が成立していることを理解できた気がします。

ただ、あえて言うならば、土曜日の午後なのにシャンチーを指しに公園に来ている子供が一人もいませんでした。たまたまその日はいなかっただけかもしれません。しかし、いくら毎日のように公園でシャンチーを楽しんでいる人たちがいるといっても、シャンチーを指しに来ている子供がいなかったということは… 公園での青空シャンチーが大人たちだけの娯楽なのか、あるいはシャンチーを楽しむ子供が少なくなっていることを示唆するものだったのか…興味深いところといえるでしょう。



次回は景山棋院について報告いたします。

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