2009年8月4日火曜日

日中将棋交流プログラム

こんにちは!スタッフ牧野です。
これからスタッフみんなで分担して、AISEP2009の4日間を振り返った報告の記事を書かせていただきます。
分担して書くため順序が前後してしまったりすると思いますが、ウェブサイトのほうにも時系列順にまとめ直す予定ですので、お付き合いいただければ幸いです。


それでは私からはまず、2日目(28日)午後の「日中将棋交流プログラム」から、東大・北京大の交流対局およびコンピュータ将棋・北京大の学生の対局へ対する羽生名人のコメントについて、報告をさせていただきます。


羽生名人は16時ごろに登場され、まず北京大学の部員と東大の部員の対局をご覧になりました。


東大将棋部のエース・谷崎君と、北京大学の象棋大師・李君の対局はちょうど終わったところで、羽生名人や観客の皆をも巻き込んだ感想戦が始まりました。
羽生名人は実際に盤上の駒を動かしてきめ細やかな検討をしてくださり、とても勉強になる感想戦となりました。感想戦終了後には両者きちんと握手をして対局終了。


続いて東大将棋部主将の武内君と、北京大学の任(れん)君の感想戦にも加わってくださいました。



その後は、東京大学将棋部員であり工学部4年生の山本一成さんが開発したコンピュータ将棋プログラムと、北京大学の任君が早指しで対局することになりました。

盤面はプロジェクタで映し出し、解説・羽生名人、聞き手・笠井さんという顔ぶれで大盤解説を行いました。

一手20秒の早指しなので解説も慌しかったのですが、羽生名人はウィットに富んでおられ、機転を利かせたおもしろいコメントを沢山下さいました。
例えば・・・
ある局面において先手後手のどちらが優勢かをコンピュータに読ませると、値で出してくれます。正の値なら先手有利、負なら後手有利で、数値が大きいほど優勢です。
そんな中、400点くらいコンピュータ将棋側が有利になった局面がありました。
そこで羽生名人が「この400って言うのはどのくらいですか?」とお聞きになったので、山本さんが「歩1枚で80点って換算しているので、歩5枚分くらいですかね」と答えたところ…
羽生名人は首をかしげながら「そんなに有利ではないと思いますが~~?!」とおっしゃり、会場には笑いが沸き起こりました!


結果はコンピュータ将棋側の勝利でした。羽生名人が、任君の指し手へアドバイスを下さったりして、感想戦が終了しました。


羽生名人は一つ一つの対局を真剣にご覧になって、とても丁寧なコメントを下さっていたのが印象的でした。
北京大学の学生たちは通訳を介して羽生名人の言葉を聞いたのですが、羽生名人の真摯な思いはきっと伝わったことと思います。

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