2008年6月4日水曜日

AISEP2008 ご報告 ~羽生先生講演会~

みなさんこんにちは、スタッフの小林千秋です。

北京より帰ってまいりまして2日がたちました。
3泊4日のフィールドワーク、ディスカッションは終りましたが、これからは活動報告をどんどんしていきたいと思います!

私からは、3日目にありました羽生先生からの講演についてまとめさせていただきます。
内容は多岐にわたりました。
大雑把なコンテンツと私が印象に残ったことを述べたいと思います。

概要

・ 日本将棋の歴史
 (家元制、芸術的な詰め将棋の数々 → 国が力を入れていた証)

・ チェス、チャンチーなどの海外の将棋および日本将棋との比較
 (プロ、アマの境界線、アマチュアの大会運営の仕方の違い、大会日程の違い → 国民性の違い)

・将棋のとらえ方
 (日本は伝統文化、中国はスポーツ!)

・近年の将棋動向
 (テニスやゴルフと同様親が子のケアをしなければ大変
   → 全国大会、普段の道場での練習への付き添いなど)

・お稽古としての将棋  
  (Ex.落ち着き、礼儀作法、集中力、思考力(創造力、想像力など)が身につく)

・羽生先生の考える将棋から得れるもの
(将棋は難しい、なかなか面白さが分からない
   → 楽しみを知るまで、我慢し辛抱する
    反省、検証することが身につく → 全ての分野で生きるスキル
    したがって強くなるためにも、他の分野に生かすためにも感想戦はとても大切 
   プロの感想戦は1~1.5時間、
    中盤以降二度と現れない局面に関しては率直な意見をぶつけ合う
  言葉が通じなくても感想戦はできる → 国境を越えたコミュニケーション

・情報と知識 
 (知識、一生懸命の人なら誰でもある → これから何が作り出せるか?
  創造 空白がないと生まれにくい、知識ばっかでは生まれにくい、
  空っぽにする作業が必要)

・ここ数10年の変化、暗黙のルールがなくなりつつある
 (こんな手を指すと師匠が怒る、みたいなこともやってしまう(新戦法がうまれる)
  自分の経験、知識が役に立たない   
  しかし、直接は役にたたないが習得の仕方が身につく → 体験が多いほうが有利)

・海外の普及
  ( 英語の本の出版が重要(現在はほとんど自費出版だけ)
   今後こうした部分からサポートしていく必要がある)

......

大まかな内容以上になります。
大変盛りだくさんでしたため全部を紹介しきれないことが残念です。

以下に私個人の印象深かったことについて述べます。

感想
まず最も印象深かったことは、「できるだけ過去の出来事は忘れるようにしている」と言う台詞でした。
これは、対局で勝った場合も勝ったことを忘れて次の一局に切り替えることであり、また、
負けた場合も反省をした後はできるだけ早く忘れるように心がけていると言う意味です。

私はもちろんそうですが、多くの人は過去の成功や失敗にとらわれてしまうことが多々あるのではないでしょうか?
しかし過去の成功に満足しきってしまうとその後のモチベーションが下がってしまうようです。
羽生先生は過去の結果を忘れることでそうした障害を避けているとのことです。

では、羽生先生の将棋を指すモチベーションは何なのでしょうか?

羽生先生「それは1局1局の中で常に新しい発見があるためです。今までにない発見をすることが面白      
      くそれがモチベーションになっています」

どうやら羽生先生は「普遍なもの」を目標にしているようです。
羽生先生の永きにわたる活躍はこうした考え方によるのかもしれません。

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