2008年6月11日水曜日

2日目:景山棋院

ちょっと間が空いてしまいましたが、5日に投稿した月壇公園の記事の続きです。


月壇公園を後にしたAISEP一行は景山棋院へ移動。バスとはいえ、なんだかんだと移動には小一時間かかります。さすが北京。広いですねぇ。


・景山棋院

(概要については、5月27日の投稿「Fieldwork in Beijing」をご覧下さい。)


景山棋院は北京の真っ只中、ひと昔の建物がずらりと立ち並ぶ地区の一画にありました。

5階建てくらいの雑居ビルの中は階ごと、部屋ごとに分けられ、それぞれシャンチーやチェス・囲碁を楽しめるようになっていました。(そうはいっても基本的にはシャンチーを指す人が多かったですが)

ここからは羽生ニ冠も合流しての見学です。




                 AISEP一行を歓迎する横断幕



北京スタッフの中山さん(手前)の通訳で席主・張国権さん(右)の説明を聞く羽生二冠



まずはシャンチーの部屋に。ちょっとした大会でも開かれていたのでしょうか、奥にあった部屋は満席で、ややピリピリした雰囲気でシャンチーが指されていました。奥の部屋の入り口には「喫煙禁止」にあたる中国語の張り紙があったはずなのですが…奥の部屋の中はタバコくさかったです(笑)

手前の部屋では数人がシャンチーを指していました。数人と聞くとまばらな感がありますが、棋院を訪れたAISEP一行は20人以上の人数なので、奥の部屋には入りきらず部屋の中はけっこう手狭な感じになっちゃいますね。

またこの棋院で初めて、中国で使われている対局時計を見ることができました。時計を使って指している2人の対局の残り時間を見ると、どうやら持ち時間は各30分以上という感じ。やはり道場、腰を据えた勝負ですね。

そのあとベランダらしきところを通って別の部屋へ移動。ベランダには碁盤が3面置かれ、シャンチーや囲碁などの沿革を示したボードが掲げてありました。

           ボード(右)や、写真を見ながら説明を聞く羽生二冠


もちろん説明は中国語なので殆ど読めませんが、シャンチーなどのボードゲームに対する景山棋院の貢献ぶりがうかがえる資料でした。

さて、次の部屋は小学校低学年くらいの子供たちが10人ほど、キャイキャイ言いながらシャンチーを楽しんでいました。指導役らしい大人が1人いたところをみると子供教室といった感じ。リーグ表のようなものが見えたので総当たり戦をやっていたのかもしれません。子供たちはキャイキャイ言いながら走り回っていて、「コラッ、客人が来てるのに静かにできないかっ」的な感じで叱られていました。こんなところは、ぜんぜん日本と変わりませんね。

                 シャンチーの駒を並べている子供


とはいえ、そんな年齢の子供たちに将棋を教えている場所が日本にどれくらいあるんでしょうか…



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この景山棋院を訪れてみて、やはり道場だけあって、単に娯楽としてシャンチー(など)を楽しむ人だけでなく、競技として指しに来る人も多いのだろうなという印象を受けました。北京の人口の多さを考えれば、私設であっても、こういう道場のような施設はもっとたくさんあっていいんじゃないか、とも感じます。

北京市内にこうした施設がどの程度存在するのかはよく分かりませんが、恐らくシャンチーにおいてはそこまで多くの道場的施設が求められているわけではないということではないでしょうか。どちらかといえば、公園などで楽しむようなコミュニティ内の娯楽シャンチーと、道場で指される競技としてのシャンチーがうまく共存できているということだと考えます。

この北京のシャンチーの状況と比べると、日本では縁台将棋などの側面はかなり失われて、現在のところ頻繁に将棋を楽しむ人々の多くは(ネット将棋はともかく)競技としての将棋プレーヤーなのではないか、という印象があります。将棋サークルの会室や道場/教室など以外では、将棋を指している光景をなかなか見かけることはありません。

純粋な娯楽としての側面が乏しくなっている以上、これからは将棋道場が競技としての将棋に寄与するのはもちろん、地域の人々にとっての一種の文化センター的な役割を果たせるようになることが…もっと重要になってくるのかもしれません。

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